2022 H200 ×W500 ×D180(cm)
石(黒御影、赤御影、小松石、伊達冠石) 真鍮 ステンレス
普遍のように思われていた社会通念が崩れ、二項対立で語ることができない多様性が問われる時世。加えて、コロナ禍において人との接触の機会が減少する中、信頼を置ける人との関係性や人を思いやる気持ちが自分自身の心のバランスを保つ役割を果たし、社会全体を支えているように感じます。 この作品は、近代化が進み貧富の差が広がる19 世紀中頃のフランスを舞台に描かれた、オノレ・ドーミエの「洗濯女」をモチーフにしています。苦しい社会情勢の中でも、母が我が子に手を差しのべて共に階段を上る姿は、現代の私たちの暮らしに重なります。時代を経てもなお変わらない人々の想いを、モニュメントとして残る形で制作しました。
第29回UBEビエンナーレ
柳原義達賞 受賞